テンテンがやって来た

テンが我が家にやって来た時のおはなし。

心にぽっかり空いた隙間

レンが旅立ってしまい、日々のお世話から一気に解放されしばらくは放心状態でした。
我が家はレンを含め３年連続でそれぞれ家族のパートナーの愛犬達の旅立ちを見送りました。（我が家ではそれぞれに担当の愛犬がいます）レンは私の愛犬でその中でも一番大きな中型犬、体の大きさの存在感が無くなってしまうのは心の中だけではなく、体感的にもぽっかり。寂しい部屋になりました。不思議なもので、生活音も何もかも小さく聞こえました。
ふとした瞬間に、色々な思い出が蘇り会いたくてとても切なくなります。
私は生まれた時から犬のいる生活が当たり前でした。その中でも自分のパートナーの愛犬はレンが初めてでした。
何度も愛犬達との旅立ちは経験してきたのですが、ずーっと一緒にいた愛犬だったので体の一部を失った様な感覚に近いかもしれません。
もう自分の犬を飼うことは暫くは考えられない。二度と飼わないかもしれない。過ぎていく日々の中でそんな風に考えながらやり過ごしていました。

同じカラーの女の子

悲しくてやるせない日々も、過ぎていく毎日をやり過ごしていくと少しずつ楽しかった思い出を話したり心も落ち着き始めました。家にはチワワ達がいるのですが、外で大きめの犬を見ると触れたくて仕方なくて飼い主の方に、良かったら触れてもいいですか？と聞いて少し触れさせてもらったりしていました。
ネットでコッカーを検索しては、いろんなサイトを覗いていました。その中で、コッカーの赤ちゃんの写真を見つけました。イングリッシュコッカーはカラーが沢山あるのですが、そこには同じカラーのレンにそっくりな女の子。
かわいいなぁ。レンに似ているな。という気持ちからどんどんと「会いたい」に変わりました。
飼うという選択はなかったのですが、それでも一度会わせてもらえるか確認の連絡をしてみることに。
しかし、返事はなかったのでそりゃあ無理だろうなと諦めました。

それは突然に

初対面の日

わくわくする気持ちを弾ませ、待ち合わせ場所に到着。
抱っこされたコッカーの仔犬を見て悶絶しました。一緒にお父さん犬と仔犬より１年先輩の兄弟犬も連れてきて下さったのですが、その兄弟犬がまたレンにソックリで！！（レンはデカコッカーだったので、遥かに小さいですが(笑)）
仔犬を抱っこさせてもらうと、じーーーっと上目使いで見つめてくるんです。
家の中で待っているお母さん犬が仔犬と離されて心配しているかなと思い、早々にお礼を告げ帰路につきました。
「可愛かったー！あー可愛い！！でも、まだお迎えするには気が早いんじゃないか、、そんな簡単に決めてはいけない。」と悩みあぐねていると（父）「悩んでいる間に誰かが連れて帰ったら後悔しないのか？」と悪魔のささやきが。
それでも私はレンの闘病時、悩みに悩んで不安だらけで頼りがいのある飼い主ではなかったなと思っていたので、仔犬を私が幸せにしてあげられるのか、その不安もあると告げると（母）「悩みながらもちゃんと最期まで責任をもって面倒をみていたと思うよ」と言ってくれました。その言葉に後押しされ、「その仔を是非、お迎えさせてください」と電話をかけていました。
電話越しに「あんな人にもらって貰えたらいいのにねと、娘と話していた所でした」と言ってもらい、無事に仔犬をお迎えすることに決まりました。
会いに行く時点で、一目会うだけで済ませるなんてやっぱり無理でした。

お迎えの日

テンテンがやってきた